「うちは何をしなければいけないのか」から整理します。
電子帳簿保存法の話が分かりにくいのは、性質の違う3つの制度が1つの法律の中に入っているためです。 自社が何をすべきかを判断するには、まずこの3つを分けて考えるのが近道です。
| 電子帳簿等保存 | 会計ソフトなどで最初から電子的に作成した帳簿・決算書類を、電子のまま保存すること。任意の制度です。 |
|---|---|
| スキャナ保存 | 紙で受け取った領収書やレシートをスキャン・撮影して画像で保存し、紙の原本を処分できるようにする制度。こちらも任意です。 |
| 電子取引データ保存 | メール添付のPDF、Web明細、EDIなど、最初から電子データでやり取りした取引情報の保存。こちらは義務です。 |
つまり「紙をなくしてよいか」(スキャナ保存)は選べる話ですが、 「電子で受け取ったものを電子のまま残す」(電子取引データ保存)は選べません。 ここを混同したまま「電子帳簿保存法への対応」を検討すると、話が噛み合わなくなります。
同じ「領収書」でも、受け取り方によって扱いが変わります。
保存したデータが改ざんされていないと言えること。これは次の4つのいずれかを満たせばよい、という考え方になっています。 すべてを揃える必要はありません。
3つ目と4つ目は、タイムスタンプのサービスを購入しなくても対応できる選択肢です。 「電子帳簿保存法に対応するにはタイムスタンプを買わなければいけない」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
保存しただけでは足りず、必要なときに取り出せることが求められます。 具体的には、取引年月日・金額・取引先で検索できること、そして税務調査などの際に画面表示や書面出力ができることです。 検索要件についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
電子取引データは電子のまま保存することが求められるため、印刷した紙だけを保存する方法では要件を満たしません。紙に出力すること自体は問題ありませんが、元のデータも残しておく必要があります。
真実性の確保は4つの選択肢からいずれかを選ぶ形になっており、訂正・削除ができないシステムでの保存や、事務処理規程の整備という方法もあります。自社の運用に合う方法を選べます。
紙の原本を処分するには、任意制度であるスキャナ保存の要件を満たす必要があります。要件を満たさない場合は紙のまま保存することになります。運用の判断は税理士にご相談ください。
レシートや領収書をスマートフォンで撮影すると、日付・金額・取引先・税率をOCRが自動で読み取り、そのまま経費精算の申請になります。電子取引データは後から書き換えできない設定のクラウドストレージに10年間保存し、取引年月日・金額・取引先で検索できます。レシート・経費精算の詳細/勤怠管理の詳細
導入のご相談: contact@becrosstec.com
本記事は制度の一般的な考え方を分かりやすく整理したものです。実際の運用にあたっては、国税庁の電子帳簿保存法に関する情報をご確認いただくか、顧問税理士にご相談ください。税制は改正されることがあります。
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